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【自分らしさを活かして自分の仕事を作る】移住者支援プログラム共同考案者・佐藤さんの想い

金谷theFish 佐藤慶宏さん

 

<佐藤 慶宏(さとう よしひろ)>

1988年9月生まれ 秋田県秋田市出身。

大学卒業後、IT企業にて4年半勤務したのち、2015年9月に当時the fishで行われていた「3+4」プロジェクトの第2号生として採用され移住する。その後2017年4月より経理担当として正社員となる。移住者支援プログラムの共同考案者でもあり、金谷と移住者、the fishをつなぐことを目指して日々奮闘してきた人物。

▼移住者としてのインタビュー記事はこちら▼

【仲間と共につくっていく幸せ】移住して3年、地元企業で働く男性に聞いた

 

【「3+4」プロジェクトとは】

週3日勤務し、残り4日は自分の好きなこと・好きな仕事に取組み、新しい働き方、生き方を実験するプロジェクトとしてスタートしたのが、「3+4」プロジェクト。2015年2月と9月に2名を採用し1名は現在the fishの社員として就労中。

 

移住者支援プログラムの共同考案者であるthe fish社員の佐藤さんにプログラム起ち上げ時の想いから、この1年間の実績について伺いました。

 

プログラム起ち上げ時の想い

金谷theFish 佐藤慶宏さん

 

ー 本日はよろしくお願いします。佐藤さんはthe fishの社員でもあり、移住者支援プログラムの共同考案者でありますが、プログラム起ち上げ時の想いを教えていただけますか?

 

佐藤さん:ちょうど自身が正社員としてthe fishに入社して1か月経った時に、滝田君から「こんなプログラムをやりたい」と相談を受けたんです。

 

もともと僕は、移住者支援プログラムの前身である「3+4」プロジェクトの第2号生として金谷に来て、the fishのレストランで働いていました。1年半くらいたって経理担当として正社員になったのですが、「自分にできる役割は何か」と考えていた時に、移住者とthe fishをつなげることだと思ったんです。滝田君のお話を聞いて会社にも移住者にも、どちらにもメリットがあると思ったし、自身が前身のプログラムで働いてきた中での課題をブラッシュアップできたらいいと思いました。

 

ー なるほど。良いタイミングでこういったお話になったんですね。ちなみに、佐藤さんが働いていた時の課題とはなんですか?

 

佐藤さん:前身の「3+4」の時に、移住者へのフォローがもっとあれば更に良くなると感じていました。例えば、いきなり金谷に来て仕事をするとなると、双方のギャップが生まれやすいという課題があったので、the Fishの見学や金谷体験ツアーを盛り込んで、金谷のことを理解してもらった上で面接に進むというようにして、移住者の受け入れ体制を整備しました。

 

また、プログラム進行中や卒業後にキャリアアップ・ステップアップを図るには、勤務外の残り週4日の中で上手くスケジュールを組み立てることが重要です。このプログラムは、一般的な働き方より特殊なものなので、そのスケジューリングのために、シフトの組み方や勤務時間の調整方法、給与待遇などの労働条件・受入条件を細かく文書化して、事前に渡すようにしました。

 

こうした課題を、移住者の受け入れを進めながら、少しずつ丁寧につぶしていくようにしました。

 

ー 自身の経験があるからこそできたことなんですね。ところで一緒にこのプログラムを起ち上げた滝田くんはどんな人ですか?

 

金谷ベンチプロジェクト
共同考案者の滝田とは、3年間様々なイベントを共に作り上げてきた戦友だ。

 

佐藤さん:勢いのある人だし、いろいろな人と関わっていける人。お酒の場に誘われたら基本的に断らないし社交的なので、自分の足りないところを補ってくれる存在です。

 

あと、彼とは移住した時期が同じだから、今まで見てきたものが他の移住者のメンバーより近いと思います。the Fish以外でも、自分たちの住む町に気軽に一息つける場所を創る「the BENCH」プロジェクトを一緒に起ち上げたり、共同でイベントを主催したりする等、変化の激しい金谷のまちで、共に激動をくぐり抜けてきた戦友でもあります。あとは、飲み仲間(笑)

 

プログラムがスタートして1年の実績

金谷theFish 佐藤慶宏さん
支援プログラムはあくまで枠組みで、「本人がどうして行きたいか」が重要だと語る。

 

ー 2017年6月にプログラムがスタートしてもうすぐ1年たちますが、感触としてはどうですか?

 

佐藤さん:卒業生も含め1年間で8名のプログラム生を採用しましたし、反響も大きいです。他県にある他の地域でも「同じようなことをやりたい」との問い合わせもいただきますし、手応えは感じます。

 

実際にこの1年、手探りでやってきましたが、移住者によってプログラムの効果的な活用の仕方が違うと感じています。目的意識をもってプログラムを利用した人はうまく活用して無事に卒業していきましたし、まだまだ自身の道を模索している人もいる。移住者支援という名の通り、あくまで「支援」するプログラムで、最終的には「本人がどうしていきたいか」を自ら、つかみ取ることが重要だと感じています。

 

ー よかった事例は?

 

佐藤さん:無事に卒業した2名がどちらもよい形で金谷を巣立っていったことです。一人は留学のための資金を貯めることができて、無事に海外に旅立ちました。もう一人は地元でゲストハウスを運営するという夢を見つけて地元に戻りました。どちらもすがすがしい様子で旅立って行ったので僕も嬉しかった。

 

「関係人口」というキーワードが広まりつつありますが、移住の分野において、定住することが必ずしもゴールではないと思っています。地域と関わり、よい影響を与えることが大切で、巣立ったとしても、その地域に思い入れがあれば、また関わりが生まれることだってあります。そのときに、先ほど話した「本人がどうしていきたいか」が重要なので、二人の卒業生はプログラムを有効活用して、次のステップを見付け、進むことが出来た良い事例だと思います。

 

ー この1年悩んだ点は?

 

佐藤さん:2点あります。1点目は「移住者支援とは、何だろうか」と考えていました。プログラム生達が金谷で暮らして実際にどんな風に生きるか、何を学び取るか、自分はどんな風に彼らを支援できるか。最終的には、本人自らが「どうしていきたいか」を見付け、行動することが大切だと思っていますが、その中で少なからずフォローできることもあるはずなので、「見守るか、フォローの口出しをするか」、そのジレンマの中でプログラムを進めてきました。

 

2点目は、プログラム利用者が他の従業員と入社の経路が違うので、そこでギャップが生まれないか心配でした。両社の間に溝ができないようにと気にかけています。

 

ー ギャップとは具体的にどんな?

 

佐藤さん:現場での温度感の違いです。最近でこそ、副業解禁や、フリーランス・複業家(パラレルワーカー)増加の流れが進んできましたが、それでもまだ少数の「新しい働き方」です。

 

これは悪い意味ではないのですが、金谷に移住する人は自分のやりたいことに素直で、背負うものが少ない人が多いと感じます。だからこそ、「新しい働き方」に躊躇なくチャレンジできるという側面もあると思います。

 

一方で、主婦業もこなしているパートの方や、家族を持つ社員は、背負うものがあるので、「新しい働き方」というよりかは、限られた時間の中で1つの仕事を務め上げることに重きを置くなど、どうしても価値観の違いはあると思うんです。それは、目に見えないけど、仕事に取り組む姿勢に現れ、責任感のずれが生じるという可能性を懸念していました。例えば、このプログラムをお小遣い稼ぎ程度に考えてしまう等。

 

だから、面接を慎重に進め、プログラム申込者の意思や本気度を確かめるように、受入れフォローを整えてきました。でも、今のところ大きな問題にはなっておらず、両者ともが気持ち良く働ける環境ができていると思います。

 

プログラムの良い点

金谷theFish 佐藤慶宏さん
移住者と受け入れ企業の双方にメリットが生まれ、手ごたえを感じている。

 

ー このプログラムの良いところはどういう点だと思いますか?移住者と受け入れ側の視点から教えてください。

 

佐藤さん:移住者にとって良い点は、週4日は好きなことができる、ということ。移住というと環境を変えることなので、いろいろな人と出会う中で本当にやりたいことを見つめる時間が確保できるのはとても良いと思います。受け入れ側としては、人手不足を解消して労働力を補うことができる点ですね。

 

ー 実際に人手不足は軽減されていますか?

 

佐藤さん:軽減されています。主に人手が必要な土日に人員が確保できているのはとても有難いです。

 

プログラムの今後

金谷theFish 佐藤慶宏さん
この支援プログラムは地域で「自分らしさ」を見つけるためのものだと語る。

 

ー プログラムを通じて、フィッシュが、移住者が、地域が、どうなってほしいですか?

 

佐藤さん:【フィッシュ】 慢性的な人手不足の解消はもちろんですが、新しいタイプの従業員が入ることによって、みんなの刺激になればいいなと思っています。

 

【移住者】 田舎で暮らすにあたり、“自分らしさ”が必要になると思うんです。好きな事、得意な事、大切にしたいことなど。そういった“自分らしさ”を理解していないと、自分の仕事も作りにくいし、生きづらいのかなって思うんです。東京だと仕事も沢山あるし、そんなことを考えなくても何とかなるけど、田舎は仕事が少ないから、ある意味、競争が激しい。また、スキルを身に付けたしても、そこに“自分らしさ”が無いと長続きしません。だから、自分のそういった部分を活かして、どんなふうに仕事を作っていくかが大切です。

 

でも、そういうものを見つけるのって時間もかかるし、何もしないとお金が無くなっていくじゃないですか。このプログラムは、ある程度の収入を確保しながら自分らしさ、自分のありたい姿を模索できます。移住者には“自分らしさを活かして自分の仕事を作る”ということに取り組んでいってほしいです。

 

【地域】 一人一人を集積したものが、“地域”というコミュニティだと思っています。自分らしさを見つけて、自分の仕事を作り、暮らしを作っていく。そういった、自分の道を歩んでいる人が増えると、結果的に地域が良くなっていくのではないでしょうか。

 

このプログラムに応募検討している人に一言

 

ー このプログラムに応募検討している人にメッセージをお願いします。

 

佐藤さん:金谷は海も山も近くて、暮らす環境としては、とても良い所です。周りにいろいろな人がいて刺激もある場所。試しに移住するのに、うってつけの田舎だと思います。一方で、支援を受けながらも自身の道を切り開いて、決めていくのは結局のところ自分自身です。「自分で道を作っていくぞ」という気持ちが大切。そういった、人生の舵を自分でとろうとしている人に来てほしいです。

 

ー 佐藤さんは6月末で金谷を発ちますが、プログラムがどの様に成長していってほしいですか?

 

佐藤さん:金谷で関わったみんなが好きだから、フィッシュであったり移住者であったり、たくさんのコミュニティの色んな人が、幸せになっていって欲しいです。それは、一人や一つのコミュニティだけでは成し遂げられない事だと思っています。このプログラムは、フィッシュに関わりながら他のコミュニティとも関われるものでもあるので、複数のコミュニティが連携しながら一緒にステップアップしていってほしいと思います。

 

後記

この移住者支援プログラムは佐藤さん抜きでは語れない。彼自身が前身のプログラムである3+4の第2号生として金谷に移住し、the fishで就労していたからこそわかる課題をあぶり出し、丁寧に向き合ってきたことにより、このプログラムの成功がある。

この1年、自身が移住者に対してどういったフォローができるか、何をすべきか、頭を悩ませたことも多いのではないだろうか。移住者、金谷という地域、the fishという地元企業、そして金谷に住む人々をつなげる為には「個々が自身の仕事を作り、暮らしを作ること」という佐藤さんのお話は、ただただ、「なるほど」と頷くばかりであった。

彼が金谷に残してくれたものを、まちに残る我々でさらにパワーアップして作り上げていくことができればいいと思う。また佐藤さんが戻ったときに全力で誇れるように。

 

[取材・文] Rinco

[撮影協力] 廣田賢司

 

▼佐藤さんの移住者としてのインタビュー記事はこちら▼

【仲間と共につくっていく幸せ】移住して3年、地元企業で働く男性に聞いた

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