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【自身のライフスタイルを生業に】金谷移住して22年。西野さんご夫妻の話【後編】

金谷 ティピー

 

前編では西野さんご夫妻のこれまでの経歴、金谷移住までの経緯、移住されてからのお話や金谷の街についてお伺いしました。後編は“ライフスタイルを生業に”をテーマに“好きなことで生きる”とはどういうことかを伺いました。

【前編はこちら】

 

“好きなことをする”ということ

金谷 西野夫妻 

 

ー 西野さんからは、よく「好きなことをしていたらいいよ、それが仕事につながる」というお話を伺います。多くの人が「好きなことをしたい」と思いながらも、「日常生活に追われてできない」という人も多いと思うんです。「そもそも好きな事がわからない」という人も多い気がしますが、好きな事を見つけるにはどうしたらいいと思いますか?

 

西野さん:俺も好きなことばっかりして遊んでいたわけではないよ(笑) 今でこそ好きなことをやっているけど、昔は嫌いなことでもやっていたよ。はじめは超貧乏だった(笑) 好きなことやっているとどうしても貧乏になる。軌道に乗るまでは自分が苦手だと思う事でも、それに関わる縁があったら、いろいろやってみたら発見があるかもしれない。だって自分が好きなことなんてやってみないとわからないじゃん。嫌いでもとりあえずやってみたら何かにつながることもあるよ。

始めは大それた目標がなくてもいい。でもなんとなく「自分はこんな事がやりたいなぁ」という図は想い描きながら動き始めると、だんだんと興味が絞られてくるんだよ。

 

自分も編集者として働いていた7年間は、釣りにも行けず何もできなかったから日常生活に追われる気持ちはわかるよ。でもこっちに来てからは、何でもできる喜びがあるんだ。今はその日々の積み重ねだと思う。

 

ー 西野さんは始めから好きなことだけをして過ごしてこられたのかと思っていたので、そんな時代があったなんて驚きです。

 

西野さん:そりゃそうだよ。今でこそ工具とかも沢山持っているけど、当時は貧乏だから切れない丸鋸を使っていたり、廃材をもらったり、とにかく金をかけない暮らしをしていたよ。工夫したし、捨てられている自転車のかごに刃を付けて貝を採ったりもした(笑)それが意外と面白かった。面白いって思えるのが重要だよね。

 

ー 確かにお金で買うよりも“作る・生み出す”って充実感がありますよね。

 

西野さん:うんそう。それに、ずっと「釣りの百科事典を作りたい」と公言していたんだけど、言っていると実現できるよ。回りまわって誰かから任せてもらえることもある。好きなことをやるというのは、“遊びでも仕事でも夢をもってやる”ということが大事だと思う。夢とまでいかなくても好きなことは誰にでもあるわけで、それを膨らませていくと、大きな夢につながるんじゃないのかな。

 

それに俺たちの場合、お互い一人一人だったら、また違っていたと思う。自分一人だったらいろいろな面でくじけていたんじゃないかな。二人だからやってこられたんだよ。だから結婚でもいいし、そういう形でなくても、良いパートナーとなる人がいればいいと思うよ。

 

ー 確かに励まし合えるパートナーの存在は大きいですよね。お二人が羨ましいです。

 

ライフスタイルを生業にするということ

金谷 西野夫妻
「本気になって遊ぶこと」それが遊びが仕事になってゆく秘訣だと言う。

 

ー ところで西野さんの釣り好きはいつからなんですか?

 

西野さん:父親の影響で釣りは子供の頃からよくやっていたんだ。近くに釣り場が沢山あって川釣りをずっとやってた。それが原点。今でも川に行くと安らぐね。

 

ー 幼少期からの好きなことが仕事になっている。とても理想的なことだと思うのですが、西野さんのように“ライフスタイルを生業にする”というのは誰にでもできることなんでしょうか?

 

西野さん:望めばこの生き方は誰にでもできるよ。白鳥が優雅に泳いでるように見えて、水の中では足をバタバタさせているのと同じで、うちもはた目には順風満帆に見えるかもしれないけど、大変なことも沢山ある。でもフリーでやっているとそれが大変だと思わなくなってくるんだ。自分のライフスタイルの全てを仕事につなげようと思うし、趣味が仕事になるんだよね。釣りも小屋作りも、自分にとっての楽しい遊びが仕事になっていった。

 

でもその為には本気になって遊ばないといけない。中途半端に遊んでいてもだめ。本気になって遊んでいたから人様に価値を提供できるくらいの達人になれるんだ。何でも同じだと思うよ。

 

それにできることを掛け合わせることも大切だよ。例えば、実際に釣りをやっている人なんて日本中に何百万人といて、俺よりも上手な人は沢山いる。でも釣りができて、教えることもできて、本も書けて、おまけにDTPもできる、なんてことになると掛け算になり仕事になるんだよ。

 

ー “本気で遊ぶ”それがライフスタイルを仕事にするコツなんですね。プラスアルファ、掛け算の法則ですね。今“パラレルワーカー”という複数の仕事をこなす人が増えていますが、そういう人たちにも掛け算できる素質はありますね。

 

西野さん:うんそうだね。十分にあるんじゃないかな。それにインターネットがこんなにも発達して、今はやろうと思えば何でもできる時代だから、自分たちに比べて恵まれていると思うよ。

 

金谷 西野ファミリー
「実際に触れてみる」いつの時代も変わらない生き方のコツを子供にも小さいころから教えている。

 

ー 確かにそう思います。でも何でもできる時代だからこそ、選択肢や情報が多すぎて迷ってしまう人も多いと思うんです。そんな人たちに向けて何かアドバイスをいただけますか?

 

西野さん:そうだね。例えば同じ環境にずっといるよりも「面白そうだな」と思う人に会いに行ってみるといいんじゃないかな。情報過多の時代だからこそ、自分が興味をもてそうなものに実際に触れてみること。バーチャルではわからないからね。時代は変わってツールは変わるけど、やっていることも考えてることも昔と同じだよ。行動しただけ必ず肥やしになるからね。

 

ー なるほど。実際に触れてみる。根本的なことは今も昔も変わらないという事ですね。では、自分の好きなことをするのに田舎は良い環境だと思いますか?

 

西野さん:自由度は高いと思うよ。固定費も安くすむし、食材なんかは、魚をもらえたり、野菜をもらえたり、物々交換が成立してるのが田舎だと思う。

 

ー お二人はこの先の不安などはないですか?

 

お二人:そりゃあるよ。子どもも大学生だしお金もかかる。老後の心配もするしね。だから一つ言っておきたいのは、フリーは借金しない方がいいよ(笑)借金さえなければ田舎は固定費が安くすむしね。自分たちも今までよくやってこられたと思う。フリーランスは常に先々を考えてやらなきゃいけないから計画性も必要だけど、逆に何歳まででもできるからね。

 

人生において大切なこと

金谷 田んぼ
移住してくる若者たちに“自然の中で遊ぶ”場を与え、その楽しさに気づかせてくれる。

 

ー 人生において大切だと思う事はなんでしょうか?

 

西野さん:やっぱり健康だよね。健康であるためには最初に言った『正しい衣食住』だね。それと、ストレスを溜めないことじゃないかな。まぁストレスはどうしても溜まるけど、都会よりも田舎にいた方が、海でぼ~としたり、癒されたりするでしょ。自然の力って大きい。遊びなんかいくらでもある。せっかく自然の中にいるんだから、もっと貪欲に遊びつくしてほしい。遊びを通して、自然を見る目が変わると思う。

 

うちも今でこそ畑をやったり米を作ったりしているけど、こっちに来てから始めたんだよ。野菜を作ってみたら「次はこれ作ろう」とか、「米、味噌も作ってみよう」とか、魚を釣ったら「こんな料理を作ろう」とか。全部自分で作る。そういう風に過ごしていたら忙しくなってくるから、それでストレス発散にもなるんだよ。

 

ー お話を伺っていると、結局は“根本の生活を丁寧に生きる”というのが本来の姿なんだな、と思います。

 

西野さん:うんそうだね。いきなりじゃなくて、少しずつやればいいんじゃないかな。

 

金谷に移住検討中の方にメッセージ

金谷 移住 西野さん

 

ー では金谷に移住検討中の人や迷える若者にメッセージをいただけますか?

 

西野さん:金谷は本当に自然が多いし、食べるものも美味しい。面白い人も多い。気になれば、試しに来てみればいいと思うよ。まずは来てみる。気に入ったら徐々に活動場所を移してきたらいい。釣りならいつでも教えるよ。一緒にやろうよ。

 

後記

金谷にいる移住者の誰もが一度は、西野夫妻にお世話になった経験があるのではないだろうか。筆者もその一人で、お二人には移住当初からとても良くしていただいている。

好きなことを、ただ本気でやり続けたこの20数年という歳月。【ライフスタイルを生業に】それはきっと、心の根柢で誰もがあこがれているにも関わらず、「無理だ」と決めつけてしまっている生き方なのではないかと思う。本気で遊びさえすれば、だれにでも実現可能なことだと西野さんは言う。その言葉にとてつもなくワクワクさせられる。

今でこそ“フリーター”や“フリーランス”という言葉をよく耳にするが、そんな言葉がまだそれほど浸透していなかった時代にそれを実践してきた西野さんのお話は、とても説得力があり心に沁みる。

「情報過多の時代だからこそ、実際に触れてみること。行動しただけ必ず肥やしになるからね。」とおっしゃる西野さん。確かに今は誰もが何でもできる、とてつもなく便利な時代だ。ゆえに選択肢が多すぎて頭の中で考えすぎている人が多いのではないだろうか。昔も今も“行動する”に勝る思考なんてないのだ。西野さんご夫妻に次いで本気で遊ぶ大人たちで、金谷の街を埋め尽くそうではないか。

 

[取材・文] Rinco

[撮影協力] 廣田賢司

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